品名 | セサミオイル(精製) |
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別名 | ゴマ油 |
学名〈原産国〉 | Sesamum indicum〈ナイジェリア他〉 |
抽出部位・方法 | 種子・冷圧搾法 |
色〈香り〉 | 薄い黄色〈無~微〉 |
鹸化値(NaOH/KOH) | 133/186.2 |
使用期限の目安 | 1年 |
保管場所 | 冷暗所 |
ドーシャへの作用 | VK-P+ |
グナ(属性) | 油、温、重 |
ラサ(味) | 辛、甘、渋、苦 |
ヴィールヤ(効力) | 温性 |
ヴィパーカ(消化後の味) | 甘 |
(V)ヴァータ (P)ピッタ (K)カパ (-)ドーシャを鎮静 (+)ドーシャを増やす (±)ドーシャに影響しない
同じ製品でも入荷時期により、色合い、香り、様相等が違います。
雑貨品取扱品となりますので、個人の責任でご使用ください。
上記内容は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。
日本でもアーユルヴェーダが広まってきているのを肌で感じます。そこでセサミオイル(ごま油)について、よくある質問に対する回答、加えて自分の整理のために考えをメモとして書いておきたいと思います。
マッサージ、オイルプリング(オイルで口をすすぐ)といった、日々の生活法で使われたり、薬草オイルの90%がセサミオイル(ごま油)がベースとなってたりと、アーユルヴェーダにおいてこのオイルはとても重要なのです。一口にセサミオイル(ごま油)といっても精製方法によっていくつかの種類があります。
未精製ごま油とくらべて、太白ごま油が色も香りもほとんど無いのは抽出方法の違いだけではなく、抽出した後に脱色、脱臭などの精製プロセスにかけられるからです。精製工程で加熱(100~250℃程)が数回されます。加熱により高温に弱い抗酸化物質とビタミンは失われます。その代わりに原油中に含まれるセサモリンという成分は精製工程を経ることで抗酸化物質であるセサミノール、微量のセサモールが生成されます。同じく抗酸化作用のあるトコフェロールも含まれています。その為、熱安定性が良いといわれています。
市販のオイルの脂肪酸組成をグラフにしてみました。抽出方法の行程の違い(精製/未精製)では差違はないようにみえます。
キュアリングとは、太白ごま油を100℃くらいまで温度を上げてから保管しておくことです。
キュア:cureという言葉には「保存に適当な状態にする」という意味があります。これは英語であり、サンスクリット語ではありません。古典にもこの言葉はありません。それではなぜオイルを温めるのでしょう?多分、多くのアーユルヴェーダ的生活法をしている方はこの2つをよく耳にしていると思います。
① 保存が利くようになる
② 肌なじみが良くなり浸透するようになる
①の理由は、熱することでセサモリンから抗酸化作用のあるセサミノールが生成されます。保存効果を上げる為にキュアリングするのですが、実は太白ごま油は精製過程で既に加熱されているのです。分析結果のデータもセサモリンが減り、セサミノールが増えている結果があります。さらにキュアリングで加熱してもセサミノールの量はほとんど変わらないようです。抗酸化物質の生成以外にも加熱により入り込んだ水分を蒸発させ品質の低下を抑えることもできるようです。
【精製過程における抗酸化物質の本体であるセサミノールの変化データ】
太白ごま油(サンプル1)「原油:3/100g油」→精製→「太白ごま油:26mg/100g油」
太白ごま油(サンプル2)「原油:0/100g油」→精製→「太白ごま油:80〜100mg/100g油」
精製過程を通っていない圧搾抽出された未精製のごま油では、セサモリンが多く含まれセサミノールはほとんど含まれません。キュアリングによりセサミノールが精製されますので未精製のオイルに対してのキュアリングは保存に有効となります。
インドから来ているアーユルヴェーダ医師の先生に伺ったとき、『ごま油に薬草を加えてムールチャナというプロセスをすると出来たベースオイルは保管、性質共に向上するので、それがキュアリングに繋がったのかもしれませんね。』と教えて頂きました。
ムールチャナについて
ムールチャナプロセスで出来たオイルをムルチタタイラといいます。古典:Bhaishajya Ratnavali(バイシャジャ ラトナヴァリ)に記載されている手法で薬草オイルを作る時にこのプロセスを施す必要があると説明されています。アーユルヴェーダの薬草オイルを作るための前処置のプロセスになります。このオイルをベースオイルにさらにハーブペーストやハーブ煎じ薬を加えていくのだそうです。オイルにムールチャナプロセスを施すと、オイルの色、香り、全体的な品質が向上すると説明されています。
②の使用感に関する理由については、感覚的なことなのか、きちんと理由が書かれているものを見聞きしたことがありませんでした。しかし、ごま油愛好家の方々は、口を揃えて浸透がよくなると言います。 私が納得できる説明が見つけられず…調査が頓挫~数年経過<笑>
あるアーユルヴェーダ医師の記述文が私がしっくりくる答えを与えてくれました。以下がその内容です。
ごま油は温性の性質があります。皮膚の表面に塗布するものはすべて、よく吸収されるためにはある程度の温性が必要です。吸収消化がスムーズに行われることで、アーマの蓄積を防ぎます。
別の実験結果の論文には、ムールチャナプロセスを行ったオイルと行わなかったオイルの分析データの比較が載せられていました。ムルチタタイラは、下記の通りの結果になりました。
粘度が低い-------->浸透しやすい
比重が重い-------->有効成分が増えた
酸価が低い-------->酸化しにくい
過酸化物価が低い-->酸化しにくい
ヨウ素価が高い---->保存期間が長い
ケン化価が高い---->低分子量脂肪酸が多く肌に吸収しやすい
未精製ごま油には有効な加熱キュアリングですが、オイルに熱をかけ過ぎると酸化が進み成分の重合が起こり粘性の
高い劣化したオイルになってしまいます。使用感が重く浸透もしにくく、油臭い不快な臭いがすることもあります。
既に加熱工程がされている太白ごま油ですが、天ぷらにも使われるオイルですので、キュアリングで追加加熱を1度したくらいではひどく劣化することはないと思われます。
太白ごま油をキュアリングするか?については、筆者の医師はごま油を加熱する必要はないと書いています。
私は、白湯の作り方でドーシャ別に煮詰める時間の長さを変えるという話しを思い出しました。カファの場合が一番長く、次がヴァータ、ピッタは一番短い時間、熱を加えるという事です。だから太白ごま油をキュアリングでさらに熱を加えると、少し温性が上がるのかな?と思いました。ピッタドーシャの人や夏の暑い時期はそのまま使うのでもよいのかもしれませんね。(しらんけど……<笑><笑>)
太白ごま油のキュアリングを行い快適にすごしているならば、それをやめる必要は無いと思います!!継続してセルフケアを行うことの方が大切ですからね。
今回、当店で再販となるセサミオイル(未精製オーガニック)は、未精製のため香が残っているタイプです。日本人には無臭のオイルが好まれるため、数種類のサンプルを取り寄せて検討しました。
未精製オーガニックのデオドラントタイプをみつけサンプルを試しました。(低温圧搾となっていますが、脱臭過程では高温にされている可能性がありますね。。)こちらは塗ったときにスッと入っていくのですが、ミネラルオイルのようなパキパキした使用感でしたので不採用としました。
再販を楽しみにしてくださったお客様、お待たせしてしまいまいましたがどうぞお試しください。
また、アーユルヴェーダの先生方をはじめ、国内太白ごま油のメーカー様、参考資料及びデータ、説明など頂きありがとうございました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
手作り素材のセサミオイル(精製)は、石鹸作りやクラフトの材料としてお使い頂けます。お肌に触れるものは、パッチテストを行い十分確認をし、問題がある方はご使用はおやめください。ここに掲載されている内容は、一般的にいわれてる事を記載しているもので、商品の効果効能、不調改善を保証するものではありません。事故やトラブルに関して当方は責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。
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